AIによって根性論が消える?経営者のAIとの向き合い方

昨日、私が所属している一般社団法人エッジプラットフォームコンソーシアムのシンポジウムに参加してきました。

EPFCシンポジウム2019夏(終了しました) | EPFC[公式]
デジタルトランスフォーメーションを実現する インテリジェントエッジ - 急展開するエッジAIの動向を探る -   開催日時:2019年7月4日 13:00-17:30(受付12:30~) 場  所:川崎ソリッドスクエアB1ホール(...

現状でAIを活用しているのは比較的大規模な工場を抱えている製造業や、大量の人員を抱えているコールセンタなどが主だと思われ、日本企業でAIを導入済なのはまだ企業全体の1/8(※)にも満たない状況です。

※12.1%。総務省「平成30年通信利用動向調査」を参照。「IoTやAI」という質問形式のため、AIに限れば更に低いと思われる。

しかしながら今回のシンポジウムに参加し、技術の進歩やエッジへの組み込みの活用等により省電力化・低コスト化等が進み、「AIに興味はあるが、自社の資金では手が届かない」という悩みはじきに解消されていくんだろうなという印象を受けました。

というわけで今後AIとどう付き合っていくかについて私見をまとめてみました。

AIに出来ること・出来ないこと

集計・分析はAIが得意

例えば、年間の売上が日ごとに並んだデータがあったとして、このうち5月分のみを集計するとなると間違いなくAIが早いです。

excelならsumif関数等を利用することで電卓で計算するよりは早く出来ますが、AIはキーボードを打ち込んだりすることも無いのでどうしても人間では勝てません。

分析においても、対前月比較や対前年比較もこちらが数式を打ち込んだりしている間にAIはパパっと計算してくれます。

データの無い分析は出来ない

ただ、前月と比較してどうだ、前年と比較してどうだといった分析は出来ますが、初年度の売上だけポンと見せられて「この売上をどう思う?」みたいなことを言われてもAIには不可能です。

様々なデータを与えてあげることでAIが分析を行えるようになります。

閃き・創出は人間が得意

AIに「新しい事業を始めたいんだけど何かアイデア無い?」と聞いてもさすがに無理です。こういったアイデアを出すことや、前例の無いことはデータを前提とするAIには不可能なことです。

また、例えばデザインなどでクライアントから「ドーンと勢いのある感じで」とかいったことを言われてもAIには理解出来ません。このような意見をうまく解釈してデザインに落とし込めるのも人間ならではと言えます。

AIに「何を任せられるか」を検討する

ざっくり言うと先述のような得意・不得意があり、概して左脳的なことはAI、右脳的なことは人間が得意とされています。

その上で、どの仕事をAIに任せられるか判断することが必要です。

AIが出来る仕事ならAIに任せるべき

人間にしか出来ない仕事やAIにしか出来ない仕事(超大量のデータ分析など)はともかく、「どちらに任せても良い仕事」があります。

これについても極力AIによる作業にシフトしていくべきだと考えます。次に理由を記載します。

ランニングコストが抑えられる

1人雇用する場合、人件費・福利厚生費はもちろん、机やパソコンなど様々な諸経費がかかります。また、当たり前ですが法定労働時間も存在します。

その点AIであればシステム利用料や電気代のみで済む上、その気になれば24時間稼働させられるのでコストあたりの生産性は高くなることが多いです。(任せる業務やシステムの維持費用等にもよりますが)

人件費は本人の年齢やスキルに応じて上がっていきますが、AIの利用料は基本的には同額のまま使えるので長期的なコストメリットは更に高まっていきます。

離職リスクが無い

少人数の職場などで、「専担の社員が退職して誰もその業務のことがわからなくなってしまった」なんてことはよくあります。

マニュアル等を整備して対策するわけですが、全くの未経験者がマニュアルだけを読んで対応するのはやはり難しいです。

AIであれば利用料を払う限りは使い続けられますし、万一故障してもバックアップがあるため安心です。

AIに任せられる仕事の範囲は日々増えていく

「1年のデータしか無い中での分析」や「ドーンと勢いのある感じのデザイン」といったことがAIには難しいと書きましたが、AI技術は日々進歩していますし、データが蓄積されることでAIの精度も増します。

1年のデータしか無くても同業種平均のデータ等との比較によって意味のある分析が出来るようになるかもしれませんし、「ドーンと勢いのある感じ」的なオーダーに対応したデザインデータが多数あればAIも「ドーンと勢いのある感じ」ってこういうことなんだ、と学んでいきます。

AIが学ぶことで導く結論が変わる

AIを一度導入して終わるのではなく、日々現状を把握し、何を任せるか考えなおしていくことが大事です。

根性で何でも乗り切る時代ではなくなる

ここでやっとタイトルに触れます。

例えば財務などの仕事では決算期や月次締めの時期は忙しくなりがちで、人手不足の会社などでは終電まで作業に追われることもあります。

今までは「この時期さえ乗り越えれば休めるから頑張れ!」といった根性論で乗り切るところも多かったかもしれませんが、AIが普及すれば状況は変わっていくと考えています。

単純作業をAI化することで業務負担を削減

決算期は仕訳の確認や通帳との突合など、地味な単純作業もそれなりに増えます。

そこに人手を入れられれば良いのですが、繁忙期なので新人に教える余裕も無く結局従来のメンバーで一致団結して乗り切るしかなくなる、というのが従来のよくある財務部決算期パターンでした。

しかしながら、AIが「どの数字とどの数字が一致していれば良いのか」判断出来るようになり、通帳に書かれた数字も判別出来るようになればこういったチェック作業は任せられます。その他にも様々な決算業務を任せられるようになるでしょう。

短期的・突発的な人手不足は「気合いでカバーする問題」から「AIで解決する問題」にシフトしていくと思います。

創造性の高い業務に根性を充てる

根性論が消えると言いましたが、別に根性や気合いが不要になるわけではありません。単純作業から解放された分、「人間にしか出来ない作業」に注力する必要があります。

「お客様と接する時間を増やす」「今後の会社の方向性を皆で考える」「新しいサービスのアイデア出しをする」などありますが、どれも会社の成長のために大切な作業です。

単純作業に人手を割いている企業と、単純作業をAIに任せ創造性の高いことに人手を割く企業とでは成長性に差が出てくることが容易に想像されます。

経営者に求められるAIとの向き合い方

シンギュラリティ(技術的特異点)と呼ばれる、「AIが人間の知性を超える」時が2045年には来ると言われています。その時には、AIの導入がうまく進んだ企業とそうでない企業に二極化されていると私は想定しています。

少し前で言う、パソコンを使って仕事をしている企業と使わずに仕事をしている企業くらいの差が生じてくるのではないでしょうか。

今のうちからAIに対する「慣れ」を作っていくことも経営者にとって必要なスキルになってくるのではないかなと考えています。

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