令和を迎えたということで、ゲーム好きの私としては平成のゲーム史を振り返りたいところなのですが、あくまで
「経営コラム」
だということを思い出したため、経営の観点を交えつつ書いてみたいと思います。一部こじつけだろと思われるところもあるかもしれませんがご容赦下さい。
イノベーションとは
今回テーマに掲げたのは「イノベーション」です。日本語では「革新」という意味ですが、経営においては大きく分けると2つの要素があります。
持続的イノベーション
技術の革新を指します。「革新」と聞いてイメージしやすいのはこちらかと思います。プレイステーションの進歩などが持続的イノベーションにあたるかと考えますが、こちらの詳しい紹介は次回行います。
破壊的イノベーション
こちらは技術ではなく新市場の開拓など、大雑把に言ってしまうと「手段の革新」を指します。こちらも詳細は後日になりますが、Wiiの登場などが一例にあたります。
平成元年:ゲームボーイの登場
さて初回のテーマはゲームボーイです。
平成に入り、ゲームボーイが登場しました。初期のゲームボーイは単3乾電池を4本使用するという、充電が主の現代からすると相当コスパが悪いものでしたが、「外でゲームが遊べる」という点から人気を博しました。
私は後になって、ゲームボーイポケットが出た時にポケモンと一緒に買ってもらいましたが、公園で友達と通信ケーブルで遊ぶ楽しさは今でも覚えています。緑と青を持っていたのでミュウツーを集め倒していました。
「ゲームを遊ぶ場所」を変えた破壊的イノベーション
この頃はまだゲーム市場自体が未成熟だったため、持続的イノベーションによる技術の進歩が主だったわけですが、ゲームボーイに関しては画面もモノクロであるなど、当時主流ハードだったファミリーコンピュータと比べると、後発であるにも拘わらず一部の機能においては劣っています(※)。
しかしながら、「外でも遊べる」という利便性が多くの子供たちを惹きつけ、「携帯ゲーム市場」という市場を作ったハードとなり長く普及することとなりました。
技術の革新により新市場に進出する破壊的イノベーションを「新市場型破壊的イノベーション」と呼びますが、ゲームボーイは新市場を自ら作り出し、その市場に進出したと言えます。
※CPUなど、ファミコンを上回っているスペックもあります。
「ゲーム&ウォッチ」からの持続的イノベーションとも取れる
ゲームボーイが初めての「外でも遊べる」ゲームのように言いましたが、昭和の時代にも携帯ゲーム機はありました。それが「ゲーム&ウォッチ」です。
若い方には全く馴染みが無いかもしれませんが、スマブラに出てくる真っ黒いキャラクタはゲーム&ウォッチのものです。
キャラを見てもわかるように、本当にシンプルなものしかなかったんです。それと比べるとゲームボーイはモノクロながらファミコンのように様々なゲームが遊べる、技術の進歩を感じさせるハードでした。
このように、平成初期頃はゲーム市場もまだ発展途上だったことから、両方のイノベーションの要素が組み合わさっていたことがポイントです。
イノベーションに成功した任天堂の成長
ファミコンによる「家庭用ゲーム機市場」、ゲームボーイによる「携帯ゲーム機市場」という2つの市場を創り出した任天堂の業績は、スーパーファミコンの投入による持続的イノベーションも相俟って右肩上がりの成長を果たしていきます。
平成2年(1990年)が下がっているのは前年度のゲームボーイ発売の反動減、スーパーファミコンが年末発売により影響が限定的だったものと思われます。
ここまでは任天堂一強体制となり、その後プレイステーションやセガサターンの投入によりハード競争時代に突入していくこととなります。
次回はプレイステーション
次回(5/26)はプレイステーションの紹介を通じ、「持続的イノベーション」について学んでいきたいと思います。