https://www.biz-book.jp/戦略経営における予算管理/isbn/978-4-502-15631-1
「脱予算管理」の是非を真っ向から検証
「時間がかかる」「機動的な経営を行えなくなる」などの意見から、予算管理不要論が聞かれるようになっています。
本書では事例や調査を基に、予算管理の必要性の有無を検証しています。
BUFFALO社の事例
全九章構成のうち、第一章は全てBUFFALO社の予算管理の事例を扱っています。
予実管理からイノベーションが産まれる事例など、予算管理をしたことによる影響について紹介されています。
意識調査等を通じた研究
その後は各社へのアンケート等から、予算管理に関する仮設を検証するなどして予算管理の重要性を検討していきます。
「担当者はなんとなくこう思っているんだろうな」など、予算管理に関する想定が数値を以て具現化されているので参考になります。
予算管理を生業とする方におすすめ
予算管理を提案するための一助として
スタートアップや中小企業などでは、売上を追うのに精いっぱいで予実管理まで手が回っていないことも多く、提案しても優先順位は低くなりがちです。
予算管理を取り扱うコンサルタント等にとっては、予算管理によって成長が見込めるということを相手に説明する際に参考となると思います。
予算管理へのモチベーションとして
予算管理の専任者が置かれているのは大企業が主だと思いますが、数十億・数百億の売上があっても予算管理担当が直接売上に寄与しているのは1円も無いため「自分の仕事は本当に必要なのか」と思ってしまうこともあるかもしれません。
そんな時には本書を読むことで、自分の仕事がいかに会社全体に貢献しているか気づくことが出来ると思います。また、自社の予算管理のやり方の見直しにもつながる可能性があります。
これから実務を学ぶ際には不適
ただし、実務の内容等にはほとんど触れられていないので、予算管理に配属されたばかりの方などが読む本としては適していません。読んでもよくわからないと思います。
個人的な感想
私は予算管理を提案する仕事でもあると同時に、企業に所属していた頃は予算管理を担当していたのでどちらの立場としてもためになりよかったです。
参考書というよりは教養書という印象ですかね。管理会計を扱うにあたっての心構えは学べると思います。